ふぃなぱずのFP有賀です。
FP1級(学科)試験の対策は?
FP1級(学科)試験の「基礎編」のオススメの学習順序は?
FP1級(学科)試験の「応用編」の攻略法は?
といった疑問に答えます。
<結論>
好きな順で勉強
計算問題対策が大切
<もくじ>
FP1級(学科)試験の「基礎編」対策
FP1級(学科)試験の「基礎編」は、FP勉強のすべての基本です。
「基礎編」は、しっかり対策したいですね!
FP1級(学科)試験の「基礎編」対策1(最初にやるべき分野)
FP1級(学科)試験の「基礎編」で、最初にどの分野から勉強すべきか解説します。
6分野どれから?
FP1級の勉強を始めるとすぐにぶつかるのが「どの順序で勉強したらいいのか」という問題。
結論を言えば、好きな順で勉強するのがいい。
いきなり全く知らない分野を勉強すると挫折するし、勉強していて鳥肌立つような分野も後回しでOK。
6分野のうち、仕事で関係するとか、興味がある分野から始めれば、気持ちよく勉強ができますよ!
ライフプランニングと資金計画は後回し
多くの受験生は、最初にあるライフプランニングと資金計画から学習を始めるんだけど、これはNG。
もし、あなたが社会保険労務士や年金関係の仕事ならありだけど、そーでなければ、NG。
なぜかって?
ライフプランニングと資金計画は、最も挫折しやすい分野だからです。
社会保険(国の年金とか医療保険とか)を勉強するんだけど、とにかく、覚える量が多い!数字が細かい!制度が複雑!と三重苦です(涙)
しかも、ただでさえ量が多い社会保険以外にも、6つの係数、確定拠出年金iDeCo(イデコ)、小規模企業共済、教育ローン、住宅ローンとかまである。
だから、最初に、ライフプランニングと資金計画を勉強するのは避けましょう。
ライフプランニングと資金計画は、最後に勉強するのがいいですね。
じゃーどの分野から勉強し始めたらいいのか?
最重要分野はタックスプランニング
6分野で一番重要な分野はと聞かれたら?
最重要分野は、タックスプランニングです!
断言します。
タックスプランニングは、税金について学ぶんだけど、税金(所得税)は、全部の分野に出題されます。
- リスク管理でも、生命保険料を支払った場合の税金は?
- 金融資産運用でも、配当金を受け取った場合の税金は?
- 不動産では、不動産を売った場合の税金は?
とFPでは、タックスプランニングで学ぶ税金(所得税)が、最重要分野です。
だから、最初にタックスプランニングを攻略しておくと、他の分野も勉強しやすくなりますよ!
FP1級(学科)試験の「基礎編」対策2(6分野の相性とクセ)
FP1級(学科)試験の「基礎編」で学ぶ6分野の相性とクセについて解説します。
6分野で相性のいい組み合わせ
FP1級(学科)試験の「基礎編」で学ぶ6分野は、相性があります。
「不動産」と「相続・事業承継」は、もっとも相性がいいです。
「不動産」で学ぶ、借地借家法は、「相続・事業承継」の「宅地等の財産評価」で役に立ちます。
だから、「不動産」を学んでから、「相続・事業承継」を学ぶといいですね!
「リスク管理」と「ライフプランニングと資金計画」も、相性がいいです。
「ライフプランニングと資金計画」で学ぶ、公的な医療保険や年金制度を補うように「リスク管理」で学ぶ生命保険があります。
だから、「リスク管理」と「ライフプランニングと資金計画」は、連続して(あるいは同時に)学ぶといいですね。
6分野のクセ
FP学ぶ6分野には、実は、分野ごとにクセがあります。
<どこからでも型>
- リスク管理
- 金融資産運用
- 不動産
<積み上げ型>
- ライフプランニングと資金計画
- タックスプランニング
- 相続・事業承継
「どこからでも型」と「積み上げ型」。
勝手に名前つけたけど。。。
「どこからでも型」は、順番関係なし。
リスク管理は、生命保険がわかんなくても、損害保険は分かる。
定期保険を知らなくても、自動車保険は解ける。
って感じで、基本、どこからやってもOK。
順番関係なし。前後の分野のつながりもなし。
だから、とっても勉強がしやすい分野です。
一方、「積み上げ型」は、順番に1つ1つ積み上げが大切。
算数だと、足し算が分かると、掛け算が分かる。
足し算がわからないと、掛け算もできないよね。
FP試験も同じ。
タックスプランニングだと、十種類の所得が分かる→損益通算が分かる→総所得金額の計算が分かる。
って感じで、積み上げて勉強します。
だから、損益通算がわからないと、当然、総所得金額の計算もできないってワケ。
だから、勉強するのに時間がかかります。
FP1級(学科)試験の「基礎編」対策3(オススメの学習順序)
FP1級(学科)試験の「基礎編」のオススメの学習順序を解説します。
1週間で1分野ペース
1週間で1分野を攻略するなら、オススメの勉強順序はこれ!
<1週間で1分野>
- 1週目 タックスプランニング
- 2週目 金融資産運用
- 3週目 不動産
- 4週目 相続・事業承継
- 5週目 リスク管理
- 6週目 ライフプランニングと資金計画
最初にタックスプランニングを学んで、最後にライフプランニングと資金計画を持ってきて6分野を全部攻略します。
さらに、不動産と相続・事業承継など相性がいい組み合わせを近くに持ってきて、学習効果を高めているのがミソ!
しかも、「積み上げ型」と「どこからでも型」を交互に持ってくるので、勉強の負担感も分散されます。
最も勉強しやすい、オススメの学習順序です。
もし、リスク管理が得意なら、金融資産運用とリスク管理の学ぶ順序を交換して、リスク管理を最初の方に持ってくるアレンジもありですよ。
2週間で2分野ペース
2週間で2分野を攻略するなら、「積み上げ型」と「どこからでも型」を同時に勉強するのもオススメです!
<2週間で2分野>
- 1~2週目 タックスプランニング、金融資産運用
- 3~4週目 不動産、相続・事業承継
- 5~6週目 リスク管理、ライフプランニングと資金計画
「積み上げ型」をメインに学習し、気分転換に「どこからでも型」を勉強するといいですね!
学校の授業も1時間目から6時間目まで全部が数学だったら飽きちゃうよね。
だから、同じ分野ばかりを勉強しないで、2分野を同時に勉強するのも効果的です!
大切なのは回転数
最初は、6分野の内どの分野から学習すべきかを一生懸命考えちゃうんだけど、大切なのは問題集の回転数です!
問題集が1回転すれば、あとは回転数を上げていくのみ!
どの分野を最初に学習したか、どの順序で学習したかは、もー関係ない。
どの分野が来ても、答えられるようにするのみです。
回転数を2回、3回…5回、10回と上げていきましょう!
FP1級(学科)試験の「応用編」対策
FP1級(学科)試験の「応用編」は、3つの形式で出題される筆記試験です。
<FP1級(学科)試験の「応用編」の試験の方式>
- 穴埋め問題
- 計算過程を示す問題
- 計算過程を示さない問題
このうち、「穴埋め問題」は、FP1級(学科)試験の「基礎編」の勉強をしておけば、「応用編」も結構解けちゃいます。
「基礎編」の知識をそのまま再利用出来るわけ!
だけど、FP1級(学科)試験の「応用編」対策としてやっといた方がいいのが「計算過程を示す問題」と「計算過程を示さない問題」の対策!
「基礎編」と重複しない「応用編」だけに出る「資料を見て計算しなさい」みたいな問題です。
やっておかないと完全にお手上げ状態になります。
だから、最も大切なのは、計算問題です!!!
計算問題の対策ができれば、FP1級(学科)試験の合格が見えてきますよ!
FP1級(学科)試験の「応用編」で対策すべき計算問題を見ていきますね!
FP1級(学科)試験の「応用編」対策(きんざい)
FP1級(学科)試験の「応用編」(きんざい)でしっかり対策したい計算問題は分野別に下記の通りです。
ライフプランニングと資金計画
<ライフプランニングと資金計画の「応用編」対策>
- 老齢給付の計算
- 遺族給付の計算
年金の計算は、毎回る定番問題です!
老後にもらえる老齢給付(老齢基礎年金、老齢厚生年金)を計算させる問題が頻出です。
FPで学習する中でも最も計算が難しい分野ですが、どの数字を使うのか?覚えるべき数字は何か?を押さえていきましょう。
FP1級では、報酬比例部分、経過的加算額、加給年金額を白紙の解答用紙に記述させます。
だから、白紙の状態から答えが書けるようにしておく必要がありますよ。
さらに、与えられる設例もミスを誘うように作られています。
経過的加算額の上限で引っかける問題や、加給年金額が支給されそうでされない問題などまでしっかり対策しておこう。
それから、変化球として、付加年金や繰上げ繰下げ支給の年金額を計算させる問題も出題されます。
定番問題をしっかりとっていきたいですね。
また、死亡した場合の遺族給付(遺族基礎年金、遺族厚生年金)の計算も抜かりなく!
リスク管理
出題されない。勉強する必要なし。
金融資産運用
<金融資産運用の「応用編」対策>
- 財務分析
- ポートフォリオ運用
金融資産運用は、計算問題のオンパレードです。
会社の財務データが与えられて、計算する財務分析が超定番です。
具体的には、インタレストカバレッジレシオ、ROA、自己資本比率、ROE、配当性向、サスティナブル成長率などは、確実に計算ができるようにしておきましょう。
単純な計算問題もあるけど、細かい引っかけの数字を入れるという発展的な問題もあります。
つまり、受験生が、解答するとに引っかけの数字を入れるか入れないか答えが変わるので、難易度を高めているのです。
引っかけの数字についても習熟しておきたいですね!
さらに、ROAやROEを分解する問題も頻出ですよ。
また、ポートフォリオ運用では、期待収益率、リスク(標準偏差)、相関係数、シャープレシオの計算は外せませんね。
リスク(標準偏差)を計算させる問題であっても、出題パターンがいくつかあるので、ひとつひとつ電卓を叩きまくって、攻略すべし!
タックスプランニング
<タックスプランニングの「応用編」対策>
- 各種所得の金額
- 損益通算
- 総所得金額の計算
- 所得控除
- 税額控除
- 法人所得の金額
- 法人税申告納税額の計算
所得税の計算問題ができるようになろう!
典型的な出題は、総所得金額の計算。
総所得金額を計算するには、各種所得の金額(給与所得、不動産所得、事業所得、一時所得など)の知識が必須です。
特に事業所得の計算は、減価償却費や青色申告特別を絡めてくるので、しっかりと対策しておきたい。
各種所得の金額が計算出来たら、次に損益通算を行います。
FP1級では、損益通算はただ合算するだけではなく、順序まで聞いてきます。
経常所得グループ、譲渡一時所得グループの損益通算まで習熟しておきましょう。
1つ間違えると芋づる式に間違えるので要注意!
しっかり積み上げられるように対策しておこう!
また、所得控除(配偶者控除、扶養控除、医療費控除など)や税額控除(住宅借入金等特別控除)を問う問題も頻出ですよ。
それから、法人税の計算問題もできるようになろう!
定番は、略式別表四を使った法人所得の金額の計算です。
具体的には、役員給与、交際費、減価償却費、租税公課の申告調整は、頻出ですので必ず計算ができるようになっておきたいですね。
FP1級試験では、上記にひねりを加えた問題ややや細かい論点を問う問題も出題されるので、定番問題は、取りこぼししないように得点していきましょう。
最後は、略式別表四で計算した所得を踏まえ、法人税申告納税額の計算が続きます。
法人税額の計算は、絶対に間違えないように!
不動産
<不動産の「応用編」対策>
- 最大建築面積、延べ面積の計算
- 譲渡所得の計算
資料に与えられた土地の最大建築面積、延べ面積の計算がほぼ毎回出題されます!
計算するには、建蔽率と容積率の緩和や制限の知識が活きてきます。
土地の形状によりパターンがあるので、パターン化して解こう!
それから、土地を譲渡した場合の譲渡所得の計算もほぼ毎回出題されます。
FP2級でも出題された特例(3,000万円特別控除、軽減税率)もでますが、FP1級しか出題されない特例(収用等の場合の取得特例、固定資産の交換特例、立体買換特例など)を含めた問題ができるように対策していきましょう。
頭で分かっても解けません。
解けるようになるには、特例について問う問題を実際に解くのが近道です。
相続・事業承継
<相続・事業承継の「応用編」対策>
- 取引相場のない株式の評価額の計算
- 宅地等の特例
- 相続税の総額の計算
取引相場のない株式の評価額の計算は、頻出です。
類似業種比準方式、併用方式、純資産価額方式は、必ず必ず計算ができるように対策しておきましょう。
まずは、計算式を理解することから始めて、計算過程で生じる端数の取り扱いまでは、最低限できるように。
さらに、1株あたりの年配当金額を算出させるなどの変化球も定番問題なので対策しておきたいですね。
計算過程の途中で1つでも間違えると、最終的な答えは、不正解となります。
地味だけど、確実に解答できるように習熟していきましょう。
他に出題されるのは、相続税の総額の計算です!
計算過程が長いんだけど、抜かりなく取る問題です。
計算過程の型を身に着けて、解けるようにしておこう!
併せて、宅地等の特例(小規模宅地等の特例)も計算問題として出題されます。
計算できずに合格なし。
FP1級(学科)試験「基礎編」「応用編」対策まとめ
好きな順で勉強
計算問題対策が大切