FP有賀です。
FP1級試験って何?
FP1級(学科)試験とは?
基礎編と応用編の違いは?
合格のポイントは?
といった疑問に答えます。
<結論>
FP1級試験は、学科試験と実技試験がある。
学科試験は、基礎編と応用編がある。
基礎編より応用編で点数を取れ。
FP1級試験の傾向と試験範囲が大好きなFP有賀が解説します!
<もくじ>
FP1級試験とは
FP1級試験について、詳しく見ていきましょう!
FP1級試験は「学科試験」と「実技試験」がある
FP1級試験は、「学科試験」と「実技試験」があります。
FP3級試験やFP2級試験は、午前に「学科試験」、午後に「実技試験」で、「学科試験」と「実技試験」を同じ試験日に受験してもいいし、「学科試験」を先に合格して、次の試験で「実技試験」に合格してもOKでした。
しかし、FP1級試験は違います。
FP1級は、「学科試験」が午前と午後で実施。
「実技試験」は別の日に行われ、「学科試験」→「実技試験」の順で受験します。
例えば、1月にFP1級の「学科試験」を受験して合格すると、6月にFP1級の「実技試験」を受験することになります。
さらに、FP1級の「学科試験」は、広く受験案内がされているんだけど、FP1級の「実技試験」は、FP1級の「学科試験」の合格者にのみ「実技試験」が案内されるという秘密の試験※です。
※FP有賀の個人的な意見です。
FP1級試験はきんざいとFP協会で実施している
FP1級試験は、実施機関が2つあります。
- きんざい(正しくは、一般社団法人金融財政事情研究会)
- FP協会(正しくは、NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)
きんざいとFP協会で試験の実施の有無に違いがあります。
FP1級の「学科試験」は、きんざいのみで実施!
FP1級の「実技試験」は、きんざいとFP協会の両方で実施!
「学科試験」
FP1級の「学科試験」は、きんざいのみで実施!
なぜ、「学科試験」をFP協会でやっていないかというと、FP協会では、「CFP試験」をやっているからです。
だから、きんざいの「学科試験」とFP協会の「CFP試験」は、同じ位置付けだと思ってください。
両方とも難関試験です。
- きんざいの「学科試験」:合格率約10%
- FP協会の「CFP試験」:合格率約10%
まずは、目の前の「学科試験」合格に向けて全力で取り組んでいきましょう!
「実技試験」
FP1級の「実技試験」は、きんざいとFP協会の両方で実施!
きんざいかFP協会のいずれかを選択します。どっちでもOKです。
FP1級の「学科試験」とは
FP1級(学科)試験について、詳しく見ていきましょう!
FP1級(学科)試験は「基礎編」と「応用編」がある
FP1級(学科)試験は、「基礎編」と「応用編」がありま~す。
午前中に「基礎編」、午後に「応用編」で実施され、必ず「基礎編」と「応用編」を同じ日に受験します。
なんと、試験時間は、「基礎編」150分、「応用編」150分の合計300分(5時間)!
長丁場の試験です。
FP1級(学科)試験内容
FP1級(学科)試験の内容をまとめるとこんな感じ。
FP1級(学科)試験の範囲をまとめるとこんな感じ。
FP1級(学科)試験の合格基準点
最初に重要な話をします!
FP1級(学科)試験は、基礎編100点、応用編100点の200点満点です。
FP1級(学科)試験は、200点満点中60%(120点)以上を取ると合格!
重要だからもう一度言うよ!
FP1級(学科)試験は、200点満点中60%(120点)以上を取ると合格!
ともかく60%(120点)を取れば合格だ!
逆に119点とか1点でも足らなければ不合格。
落ちる受講生は、だいたい100点から119点くらいに集中する傾向があります。
FP1級(学科)試験は、合格率10%の難関試験です。
俺は、60%(120点)じゃなくて、80%、90%得点するんだ~とか、かっこつけずに、60%(120点)=合格を目指して全力を尽くそう!
だって、60%(120点)以上を取る人はたったの10%なんだから!
FP1級(学科)試験に足切りはない
それから、もうひとつ大切なことがあって、「足切りはない」ということ。
つまり、120点を取る基礎編と応用編の内訳は、問われない。
だから、なんでもいい。
- 基礎編60点+応用編60点=120点 → 合格
- 基礎編40点+応用編80点=120点 → 合格
極端な話、こんな感じでも合格です。
- 基礎編20点+応用編100点=120点 → 合格
FP1級(学科)試験の「基礎編」とは
FP1級(学科)試験の基礎編について、詳しく見ていきましょう!
基礎編はマークシート
基礎編は、全部が四択問題のマークシートの試験です。
「最も適切なものはどれか」「最も不適切なものはどれか」みたいに4つの選択肢から選ばせる問題。
4つの文章の選択肢から選ばせる問題や、計算結果の適切なものを4つの数字から選ばせる問題が定番ですよ。
たまに、「適切なものはいくつあるか」みたいに4つの選択肢から適切なものの数を「1.1つ、2.2つ、3.3つ、4.なし」のように選ばせる問題も出題されます。
基礎編の試験時間
基礎編の試験時間は150分(10:00~12:30)。
150分で50問だから、150分÷50問=1問3分くらいで解く必要がある。
問題文を読んで、選択肢を選んで、マークシートを塗りつぶすまで1問3分。
すぐ分かる問題もあるけど、ちょい長い選択肢もあるし、計算問題も出てくる。
まーまースピードが要求されます。
はじめは、選択肢を見ても意味が分からないし、3分では解けないと思うけど、大丈夫。
やっていくうちに意味がわかって3分以内に解けるようになるからね!
試験1カ月前くらいには、1問3分以内で解けるようにしておこう(解けなとやばい)!
基礎編の試験範囲
基礎編の試験範囲について、詳しく見ていきましょう!
基礎編は、6分野全部が出題されますが、均等に出題されるんじゃなくて、ちょっと偏りがあります。
- 問1~8 全8問 ライフプランニングと資金計画
- 問9~15 全7問 リスク管理
- 問16~24 全9問 金融資産運用
- 問25~33 全9問 タックスプランニング
- 問34~41 全8問 不動産
- 問42~50 全9問 相続・事業承継
リスク管理が7問とちょっと少ない。
逆に9問と多いのが、金融資産運用、タックスプランニング、相続・事業承継の3分野。
この辺の攻略が大切になってきます。
基礎編で問われる5つの知識
基礎編では、次の5つの知識を問われます。
だから、5つの知識の攻略が大切です!
- より広い知識
- より深い知識
- 重箱の隅の知識
- FP2級の知識
- 改正物の知識
(1)より広い知識
基礎編では、FP2級では、聞かれなかった、より広い知識を聞いてきます。
例えば、不動産の譲渡所得の特例では、FP2級は、「3,000万円特別控除の特例」「軽減税率の特例」などしか聞かれませんでしたが、FP1級では、さらに「収容交換の場合の特別控除の特例」「固定資産の交換特例」「立体買換え特例」「特定事業用資産の買換え特例」などの特例についても問われます。
FP1級ならではの出題範囲に備えて、より広い知識を身につけましょう!
(2)より深い知識
基礎編では、FP2級では、聞かれなかった、より深い知識も聞いてきます。
例えば、公的な医療保険であれば、「健康保険の被扶養者の範囲はどこからどこまでか?」や「親族の年収などの具体的な条件から、被扶養者とすることができるか?」まで聞いてきます。
また、「高額療養費の具体的な計算」や「健康保険限度額適用認定証」の取り扱いなど細かい規定についても出題があります。
社労士さんや税理士さんなどの専門家のような、より深い知識まで習熟しよう!
(3)重箱の隅の知識
基礎編では、重箱の隅すぎるマニアックな知識を問う問題もかなりあります。
先に結論を言うと、難問・奇問すぎる問題は、やってはいけません。
定番問題との見極めが大切ですよ!
(4)FP2級の知識
FP1級試験とはいえ、いままで学んできたFP2級の復習も出題されます。
サービス問題です。
FP2級と同じレベルの問題も盛り込まれますので、取りこぼししないで取っていきたいところです!
だから、FP2級の受験が数年前の人、すっかり忘れちゃった人は、FP2級を復習してからFP1級を受験するのがいいですよ。
(5)改正物の知識
FP1級試験は、改正物が大好きです。
4月から始まった制度、来年1月からの改正…ぜひ、押さえておきたい問題です。
税制改正や社会保険の改正は、必ず出題されるので、最新情報を要チェック!
基礎編は難しい
基礎編は、名前が基礎編だけど難しいです。
基礎編のは、4択問題のマークシートだから簡単そうだけど、難しい。
本当に難しい。
税理士さんも知らないような税制の細かいところを聞いてくる。
どんなに準備しても、知らない問題、聞いたことがない選択肢が出題され、難問・奇問の巣窟です。
いかに定番問題で得点できるか(ミスらないか)が大切ですよ!
FP1級(学科)試験の「応用編」とは
FP1級(学科)試験の応用編について、詳しく見ていきましょう!
応用編は「設例」問題がある
応用編の特徴は、「設例」問題です。
「設例」が与えられて、この「設例」に基づき問題を答えます。
設例問題
応用編の「設例」は5題。問題数は15問です。
設例1題に問題が3問付いてきます。
全部で設例が5題与えられるので、全部で問題数は15問となります。
設例を見て問題に答えるんだけど、設例を見なくても答えられる単なる知識を問う問題もあります。
応用編は筆記試験
応用編は、筆記試験です。
FP2級まで
FP2級も実技試験は、筆記試験でしたが「○×」「語群選択」みたいなマークシートと変わらないようなサービス問題が多かったです。
ちょいムズの「計算・記述方式」も答えを書かせるだけでした。
FP1級
しかし、FP1級は、違います。
- ○×問題→誤りを適切な内容に記述させる問題
- 語群選択→適切な語句、数字を記述させる問題
- 計算・記述方式→計算過程を示して記述させる問題or答えだけ記述させて途中点なしの問題
しかも問題は、FP2級より当然難しいです。
応用編3つの出題形式
応用編では、次の3つの形式で出題されます。
合格するには、計算問題の攻略が大切です!
- 穴埋め問題
- 計算過程を示す問題
- 計算過程を示さない問題
(1)穴埋め問題
「文章の空欄に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。」みないな、「語句」や「数値」を記入させる問題が出てきます。
だから、うろ覚えだと、解答できません。
しっかりと「語句」や「数値」を覚えて、本番に臨みたいですね!
(2)計算過程を示す問題
「◯◯はいくらか、計算過程を示して答えなさい。」みたいな、計算問題です。
超重要です!
確実に準備して、本番に臨みましょう。
なぜかというと、白紙の解答用紙に、1行目から自分の言葉(数字)で解答しないといけないからです。
例えば、「課税長期譲渡所得金額はいくらか、計算過程を示して答えなさい。」という問題であれば、収入金額、必要経費を白紙の解答用紙に自分で書き入れ、それぞれ計算して、解答します。
だから、慣れておかないと、本当に白紙になってしまいます。
計算問題は、何度も何度もいろいろなパターンで解いていけば、必ずできるようになりますよ!
(3)計算過程を示さない問題
「◯◯はいくらか、答えなさい(計算過程の記載は不要)。」みたいな、答えだけの計算問題です。
「(2)計算過程を示す問題」であれば、途中まで合っていれば、途中点がもらえます。
だけど、「(3)計算過程を示さない問題」は、答えだけです。
途中点はありません。
より難易度が高い出題形式です。
途中でミスらないように、得点したい問題です!
応用編では、計算問題がいかにできるかが合格のカギを握っています!
応用編は得点源
応用編は、計算・記述方式ですが、安心してください。
実は、基礎編より応用編の方が点数は取りやすいんです!
なぜなら、定番問題が多いからです。
断言します。
FP1級(学科)合格の鍵は、応用編が握っています。
応用編の解答用紙は独特
応用編の解答用紙は、初めて見る独特な形式です。
切り取りしてはいけないキリトリ線
なんと解答用紙にキリトリ線があります!
絶対に切ってはいけません。
多分、採点する時に、採点者ごとに切り取ってページごとに採点しているんでしょう。
問題番号がバラバラ
さらに、解答用紙は、問題番号ごとに並んでいないません!
バラバラです!
衝撃的な事実。
解答用紙は、前半は、単純な語句や数字を書かせるだけの問題の解答を書きます。
後半は、計算過程を示して答えなさいのような問題の解答を書くようになっています。
だから、順番に問題をといていっても、解答用紙は、前半の方に答えを書いたり、後半の方に答えを書いたり、移動するわけ。
最初は、戸惑うかもしれないから注意しよう!
応用編の試験時間
応用編の試験時間は150分(13:30~16:00)。
基礎編と応用編は、両方とも150分ずつですが、応用編の方が、問題を解く時間がかかります。
FP1級を毎回受験しているFP有賀は、基礎編60分、応用編90分くらいで終了するけど、実際の試験会場では、時間いっぱいまで使う人も結構います。
いかに短時間で「設例」を読み込んで、解答を記述するかにかかっています。
応用編の試験範囲
応用編の試験範囲について、詳しく見ていきましょう!
応用編は、リスク管理は出題されません。
リスク管理以外の5分野から出題されます。
全部で5題ある設例ごとに、どの分野から出題されるか決まっています。
- 第1問 ライフプランニングと資金計画
- 第2問 金融資産運用
- 第3問 タックスプランニング
- 第4問 不動産
- 第5問 相続・事業承継
具体的には、こんな感じ。
- 第1問 老齢給付の計算、遺族給付の計算など
- 第2問 財務分析、ポートフォリオ運用など
- 第3問 事業所得の計算、法人所得の計算など
- 第4問 建築面積・延べ面積の計算、譲渡所得の計算など
- 第5問 取引相場のない株式の計算、相続税の総額の計算など
FP1級試験、FP1級(学科)試験まとめ
FP1級試験は、学科試験と実技試験がある。
学科試験は、基礎編と応用編がある。
基礎編より応用編で点数を取れ。