FP有賀です。
FP3級の合格率は?
3種類ある実技の合格率は?
合格率が高い方を選べばいいの?
きんざいよりFP協会の方が合格率が高いのはなぜ?
という疑問に答えます。
<結論>
FP3級の合格率は、学科67%、実技68%、本当は26%
合格率が「きんざい<FP協会」の理由は4つ
合格率だけで選ぶな
FP1級に毎回合格しているFP有賀が解説します!
FP3級「学科」の合格率
FP3級(学科)の合格率は67%
FP3級(学科)の合格率は、67%です。
だいたい10人中7人合格!って感じ。
FP3級は、ちゃんと勉強していれば、合格できます。
不合格の人は、逆に、楽勝だろーと思って勉強を怠った人ですね。
FP3級(学科)の合格率を分析
過去のFP3級(学科)の合格率をきんざいとFP協会をすべての受験者数と合格者数で分析してみました。
単純に過去の合格率が何%かみるよりも、合格率の頻度を範囲でとらえた方がより正しく知ることができますよ。
<FP3級(学科)合格率分析>
- 合格率の平均:67%
- 合格率の範囲:60~74%
FP3級(学科)の合格率の平均は67%ですが、試験によって、毎回上下するので、60%から74%の範囲と考えておけばOKです。
FP3級「学科」の合格率の差は17%
FP3級(学科)の合格率は、きんざいとFP協会で17%も差があります。
FP3級(学科)試験は同じ問題
FP3級(学科)試験は、きんざいとFP協会で同じ問題を使用します。
違いはありません!
同じ問題を、同じ日に、同じ時間で、それぞれ別の会場で試験が実施されます。
FP3級(学科)の合格率は「きんざい<FP協会」
注目してほしいのは、きんざいとFP協会の合格率の差!
FP3級(学科)の合格率は、きんざいよりFP協会の合格率は17%高いです。
きんざいの合格率61%-FP協会の合格率78%=差17%
結構、大きい!
同じ問題を、同じ日に、同じ時間で解いているのに、きんざいとFP協会で合格率を比べると、いつもFP協会の方が、合格率が高い…
じゃー「FP協会で受験した方がいい」というのは、ちょっと待ってね。
合格率が高いから選ぶは誤り
「合格率が高い方がいい!」って考えるのは、当然。
だけど、合格率で選んではいけません!
例えば、FPの勉強を始めて、試験日まで一生懸命勉強したとしましょう。
んで、試験当日。
どっちの試験会場で受験した方が合格率は高くなりますか?
- 「きんざい」の試験会場
- 「FP協会」の試験会場
試験日当日に「きんざい」の会場で受験しても「FP協会」の会場で受験しても、「同じ問題」を解くんだから、結果は変わらないよね!
FP協会の会場で、答えが事前に配られていますっていうなら別だけど、そんなことない。
だから、合格率で選ぶのは誤りです。
きんざいで受験してもFP協会で受験しても「あなたの合格率」は変わりません!
じゃーなんで、きんざいよりFP協会の方が、合格率が高いのか?
理由は2つあります。
合格率の違いから、「本質」を見抜くことが大切です。
合格率が高い理由1:意識の違い
きんざいよりFP協会の方が合格率が高いのは、意識の違いがあります。
- きんざい受験者→会社で申し込む「団体」での申し込みが多い
- FP協会受験者→個人で申し込む「個人」での申し込みが多い
きんざい
合格率が低いきんざいの受験生は、会社が(勝手に?)FP試験の申し込み(「団体」申し込み)をして受験をすることがよくあります。
だから、上司から突然「次のFP試験を受験するように」などと言われることもあるわけです。
当然、勉強のモチベーションも低くなりがち。
急に言われるので日常業務の合間に勉強して準備不足で受験。
ほとんど勉強せず「受験会場に行って受験したが、不合格だった」という体裁を作るためだけの人もいます。
さらに、不合格の人は、次回のFP試験も会社が(親切心で?)受験の申し込みをしてくれたりするので、不合格者が累積してしまい、合格率をさらに下げるわけです。
勉強していない人が多く受験すれば、見た目の合格率は下がりますね。
FP協会
一方、合格率が高いFP協会の受験生は、自分の意思でFP試験に申し込み(「個人」申し込み)をして受験する人が多いのです。
だから、学習意欲が高く「次のFP試験で合格しよう!」などと計画を持って勉強しています。
合格率が高いのもうなずけます。
また、FP協会で受験する人は、FP3級の次にFP2級を受験し、FP2級に合格した後は、FP協会の会員になってAFPやCFPになろうという人も多いです。
つまり、合格した後も費用と手間をかけて勉強しようと考える人が多いのも特徴です。
意識の違い
受験者の意識の違いは、合格率に大きな影響を与えています。
きんざい受験者は、「団体」申し込みが多く、意識が低い人もいるため、合格率が低くなっている。
FP協会受験者は、「個人」申し込みが多く、意識が高いため、合格率が高くなっている。
合格率が高い理由2:教材の違い
きんざいよりFP協会の方が合格率が高いのは、教材の違いがあります。
- きんざい受験者→市販のテキスト、問題集で独学
- FP協会受験者→通信教育で学習
きんざい
合格率が低いきんざいの受験生は、会社が独自の研修を用意したりする場合もありますが、おもに市販のテキスト、問題集で学習を行っています。
いわゆる独学です。
独学では、全部を自分で学習計画を立てて、テキストを読んで理解して、問題集を解いて繰り返す。
分からないところは、自分で調べる。
分かればいいけど、分からないとそのままになったり…
独学は、自己流で計画を立て、勉強をしがちなので合格率は、低くなります。
FP協会
一方、合格率が高いFP協会の受験生は、独学もいますが通信教育が多いように感じます。
というのも、FP2級講座を受講すると、FP3級講座「も」付いてくるみたいな通信教育が多いことが一因です。
通信教育では、テキストや問題集は、もちろん、普通は、テキストを講義(動画)で解説してくれたり、分からないところに答えてくれたりする質問サービスが付いています。
講義(動画)や質問サービスが学習時間の短縮と知識の理解の助けになっています。
それが無いなら、駄作の通信教育でお金の無駄遣いです。
また、体系立てたカリキュラムが組まれているので、勉強がしやすいのかもしれません。
独学よりも通信教育の方が合格率が高くなるのは、事実です。
別の要因として、通信教育では、受講するのに数万円の費用が掛かります。
つまり、費用は掛かりますが「元を取ろう!」という意欲をかきたてているかもしれませんね。
教材の違い
学習する教材の違いは、合格率に大きな影響を与えています。
きんざい受験者は、独学が多く、自己流で学習するため、合格率が低くなっている。
FP協会受験者は、通信教育が多く、効率的に学習できるため、合格率が高くなっている。
FP3級(学科)の合格率の違いの本質
あなたはどっち?
会社の命令で、いやいや市販教材で独学すると、合格率は、低い61%。
自分の意志で、しっかり通信教育で学習すると、合格率は、高い78%。
勉強を始める前から、合格率に歴然の差がある事実を知っておきましょう。
FP3級の本当の合格率は26%?
FP3級(学科)の合格率は、きんざいもFP協会も含めて67%です。
だけど、本当の合格率は26%です。
一般的なFP3級の合格率
FP3級の合格率が67%でない理由は、合格率の計算方法にあります。
一般的な合格率は、「合格者÷出席者=67%」と計算しています。
FP3級試験を受験しに出席している人は、しっかり勉強して、合格の可能性が高い人です。
だから、一般的な合格率は、高く出ているんです。
よって、欠席者も含めて計算した方が、よりリアルな合格率となります。
欠席者も含めたFP3級の合格率
実際にFP3級試験は4人に1人が欠席します。
つまり、FP3級試験の2カ月前に受験料を払って、受験する気が満々だったけど、FP3級試験に行かなかったという人も多いのです。
もちろん、急用とか、病欠とかもあるかもしれませんが、受験申請したけど、合格しそうにないから欠席したという人が多いのが、実感。
だから、受験申請した人(出席者と欠席者の合計)を元に合格率を計算すると実感によりリアルな合格率となります。
欠席者も含めた合格率は、「合格者÷(出席者+欠席者)=52%」と計算できます!
出席者だけでなく、欠席者も含めた合格率は、リアルな合格率です。
もう一歩、深堀して考えたいのが挫折者の存在。
挫折者も含めたFP3級の合格率
今日からFP3級合格を目指す人にとっては、受験申請していない人(=挫折者)も含めた方が、本当の合格率に近くなります。
その理由は、勉強を始めても受験申請までもたどり着けない人もいるからです。
<挫折者>
- 勉強していたけど受験申請をしなかった
- 勉強していたけど受験申請を忘れた
- 勉強していたけど不安があったので見送った
- 勉強していたけど全部終わらなかった
- 勉強していたけどテキスト数ページ読んだだけ
- 勉強していたけど忙しくて勉強を中断した
- 勉強していたけど受験をあきらめた
- 勉強していたけど…
肌感覚だけど、FP3級の勉強を始めたけど、3人に1人から2人に1人は途中で挫折する感じです。
仮に2人に1人が途中で挫折したとすると、挫折者は、出席者と欠席者の同数がいることになるので、分母は2倍、合格率は半分になります。
だから、「勉強していた人」の本当の合格率は26%ということですね。
FP3級の合格率が67%だと思わず、本当の合格率は26%だと思いながら勉強した方が、合格の可能性は高まりそうですね!
FP3級「実技」の合格率
FP3級(実技)の合格率は68%
FP3級(実技)の合格率は、68%です。
だいたい10人中7人合格!って感じ。
だから、学科と実技の合格率は同じくらいですね。
最近は、FP3級(実技)の合格率が低下傾向(難化傾向)にあるので注意が必要です。
FP3級(実技)の合格率を分析
過去のFP3級(実技)の合格率をきんざいとFP協会をすべての受験者数と合格者数で分析してみました。
単純に過去の合格率が何%かみるよりも、合格率の頻度を範囲でとらえた方がより正しく知ることができますよ。
<FP3級(実技)合格率分析>
- 合格率の平均:68%
- 合格率の範囲:63~73%
FP3級(実技)試験の合格率の平均は68%ですが、試験によって、毎回上下するので、63%から73%の範囲と考えておけばOKです。
FP3級「実技」の合格率の差は34%
FP3級(実技)の合格率は、最も高い課目と低い課目で34%も差があります。
FP3級(実技)試験は異なる問題
FP3級(実技)試験は、きんざいとFP協会で異なる問題を使用します。
また、選択課目により、問題も異なります。
異なる問題を、同じ日に、同じ時間で、きんざいとFP協会とで別の会場で試験が実施されます。
FP3級(実技)試験は3種類から1種類を選ぶ
FP3級(実技)試験は、3種類あり、どれか1種類を選択して受験します。
- 個人資産相談業務(きんざい)
- 保険顧客資産相談業務(きんざい)
- 資産設計提案業務(FP協会)
FP3級(実技)の合格率も「きんざい<FP協会」
3種類の選択課目別の合格率
3種類あるFP3級(実技)試験の選択課目別の合格率は、次の通りです。
<FP3級(実技)合格率>
- 86% 資産(FP協会)
- 62% 個人(きんざい)
- 52% 保険(きんざい)
FP3級(実技)試験の合格率も、きんざいよりFP協会の方が高いです。
保険(きんざい)52% < 個人(きんざい)62% < 資産(FP協会)86%
1位:資産(FP協会)
合格率第1位は、資産設計提案業務(FP協会)です!
それにしても高い合格率です。
FP3級(実技)試験もFP3級(学科)試験と同じく、きんざいよりFP協会の方が、合格率が高い傾向があります。
FP3級の学科と同じく、合格率の差は「合格率が高い理由1:意識の違い」と「合格率が高い理由2:教材の違い」によるものですね!
2位:個人(きんざい)
合格率第2位は、個人資産相談業務(きんざい)です。
FP協会と20%以上の差がついています。
3位:保険(きんざい)
合格率第3位は、保険顧客資産相談業務(きんざい)です。
おそらく、生命保険会社に採用された方が、入社直後に大量受験している影響が大きいのではないかと考えられます。
生命保険会社では、入社後にいろいろ資格を取らされます。
その一環でFP3級を受験している可能性が高いでしょう。
つまり、忙しい中、準備不足で試験に望んでいるため、合格率が低くなっているわけですね。
実は、合格率は同じくらい?でもFP協会の方が高い
FP3級(学科)の合格率がきんざいよりFP協会が高いのと同様に、FP3級(実技)試験もきんざいよりFP協会が高くなっています。
FP3級(学科)の合格率は、きんざいよりFP協会の合格率は17%高かったですね。
その合格率の差は「合格率が高い理由1:意識の違い」と「合格率が高い理由2:教材の違い」によるものと考えられます。
合格率を補正
理由1と理由2の差を消すために、きんざいの合格率に17%足して合格率を補正してみます。
そーすると合格率は、だいたい同じくらいになります。
それでもまだFP協会の方が、少し合格率が高い。
実技の場合は、さらに、もう2つ理由があります。
合格率が高い理由3:試験形式の違い
きんざいよりFP協会の方が合格率が高いのは、試験形式の違いがあります。
- きんざい実技→15問
- FP協会実技→20問
きんざい
合格率が低いきんざいの実技は、15問しか出題されません。
つまり、1問あたりの配点が大きいということです。
だから、たまたま、知らない問題の集中攻撃を受けると、落ちてしまいます。
もちろん、知らない方が悪いので問題のせいにしてはいけませんが…
問題数が少ないだけに、難問が何問か入っていると急激に合格率が低下します(逆に簡単な問題が多いと合格率が急上昇します)。
FP試験は、上位◯%が合格ではなく、絶対値で60%得点できると合格になるので、問題の難易度の差が合格率に直結します。
同等レベルの出題を願っています。
FP協会
一方、合格率が高いFP協会は、20問と問題数が多くなっています。
関連した問題として出題されることもありますが、いろいろな分野から出題されるので全滅というリスクは避けられるわけですね。
合格率が高い理由4:プレッシャーの違い
きんざいよりFP協会の方が合格率が高いのは、プレッシャーの違いがあります。
- きんざい実技→難易度の高い問題がある
- FP協会実技→時事問題がある
きんざい
合格率が低いきんざいの実技は、基本的な定番問題もありますが、たまに難易度が高い問題も出題されます。
過去問を解いてみると、FP3級にしては、難しい選択肢や細かいことを問う問題などがあったりします。
「げーこんなこと知らないよ~」みたいな受験生泣かせの問題です。
このことが受験生により広く深く学ばなければいけないというプレッシャーを与え合格率を引き下げている要因になっていると考えられます。
そんな難問・奇問は無視すればOKなんだけど、真面目な受験生ほど、過去問のワナにハマってしまいがちです。
FP協会
一方、合格率が高いFP協会の実技は、資料が与えられて読み取る問題が結構多いのも特徴。
例えば、金融資産運用でいうと、日本経済新聞の投資欄や東洋経済新聞社の会社四季報が資料で与えられて、答えさせる問題とかも出ます。
初出題の問題は、試験対策が立てにくく、試験当日に試験問題を見て答えを考えなければならないため難易度がアップします。
ただ、初めて見る問題でも、勉強したことから答えが導き出せる問題も多いです。
もっと勉強しないといけないというプレッシャーは少なくなる分、定番問題をこなす時間が取れるため合格率を引き上げていると考えられます。
FP3級(実技)の合格率の違いの本質
FP3級(実技)の合格率がきんざいよりFP協会が高いのは、FP3級(学科)と同じく、「理由1:意識の違い」と「理由2:教材の違い」が大きいです。
合格率の差は、FP3級(学科)の2つの理由に加え、FP3級(実技)はさらに2つの理由、「理由3:試験形式の違い」と「理由4:プレッシャーの違い」があると考えられます。
問題数が少なく、プレッシャーがかかり、難問・奇問まで勉強範囲を広げると、合格率は、低い。
問題数が多く、プレッシャーが少ないと、定番問題を集中して学習するので、合格率は、高い。
大切なことは、合格率の差が生まれる理由を知った上で、あなたの合格率が高くなる勉強をすることです。
FP3級の合格率まとめ
FP3級の合格率は、学科67%、実技68%、本当は26%
合格率が「きんざい<FP協会」の理由は4つ
合格率だけで選ぶな