具体例付!CFPの実務経験とは?実務経験なしで取る方法

具体例付!CFPの実務経験とは?実務経験なしで取る方法
具体例付!CFPの実務経験とは?実務経験なしで取る方法
FPの取り方の完全解説ロードマップ!

FP有賀です。

 

CFPの実務経験って何?

実務経験を詳しく知りたい

具体例で教えてほしい

実務経験なしの場合のCFPの取り方を知りたい

という疑問に答えます。

 

<結論>

実務経験とはFP分野の相談経験のこと。

CFP試験は、実務経験がなくても受験して合格できる。

実務経験なしでも、「みなし実務研修」を受講すれば実務経験となる。

 

CFPを持っている、FP有賀が解説します。

 

CFPの実務経験とは何?

CFPの実務経験を解説します。

 

CFPの実務経験とは

CFP実務経験とは、簡単に言うと「FP分野の相談経験」です。

 

実務経験として申請できるものは次の2つを満たすことを要件とします。

業種・職種・雇用形態等によって狭義に定義するものではありません。

1.「FP実務の6ステップ」のいずれかの経験をしていること

2.「顧客」がいること

(FP協会引用)

 

 

(1)「FPプロセスの6ステップ」のいずれかの経験をしていること

「FPプロセスの6ステップ」って何だ?ってことなんだけど、FP協会によると下記の通り。

 

  1. ステップ1:顧客との関係確立とその明確化
  2. ステップ2:顧客データの収集と目標の明確化
  3. ステップ3:顧客のファイナンス状態の分析と評価
  4. ステップ4:ファイナンシャル・プランの検討・作成と提示
  5. ステップ5:ファイナンシャル・プランの実行援助
  6. ステップ6:ファイナンシャル・プランの定期的見直し

 

営業の人とかは、がっちり該当するよね。

  1. ステップ1:顧客と名刺交換
  2. ステップ2:顧客と雑談する
  3. ステップ3:顧客の問題点を発見する
  4. ステップ4:商品提案
  5. ステップ5:契約!
  6. ステップ6:アフターフォロー

 

6ステップの「いずれかの経験をしていること」と書いてあるので、ステップの1つだけでもOKです!

  • 金融商品、保険契約の提案・販売
  • コールセンターで顧客対応
  • 営業支援業務、顧客への提案資料作成
  • FP分野の顧客セミナー、執筆
  • FP分野に関する各種生活相談
  • 社員の福利厚生業務

 

FPに関すれば、結構広い範囲の業務が実務経験として認められています。

 

(2)「顧客」がいること

顧客は、「サービスを受ける者」なので、サービス自体は、有償でも無償でもOKです。

だから、有料相談だけでなく、無料相談でもボランディアでもOKということです。

 

実務経験は自己申告で証明不要

実務経験は自己申告制ですので第三者の証明は不要ですが、内容を証明する書類の提出を求められる場合もあります。

虚偽や不正が発覚した場合は、合格が取り消しとなる場合がありますので、慎重に行いましょう。

 

実務経験の期間

実務経験の期間は、CFP資格審査試験全6課目合格日前10年~CFP資格認定日までで計算します。

簡単に言えば、実務経験はCFP合格の10年前~CFP認定までの間で計算します。

CFP認定を受けるには、実務経験が3年以上必要です。

だから、CFP認定までの直近10年間に実務経験が3年以上あれば、CFP認定を受けることができます。

 

CFPの実務経験の具体例

CFPの実務経験として認められる「FP分野の相談経験」を具体例で見ていきましょう!

 

「FP分野の相談経験」の具体例

具体的なFP分野の相談経験です。

 

FP分野の相談、コンサルティング

FP分野における相談やコンサルティングですね!

具体的には、社会保険、生命保険、金融商品、税務、不動産、相続などの相談やコンサルティングです。

 

金融機関であれば、金融商品や保険商品の相談。

不動産会社であれば、不動産の相談。

税理士であれば、税務相談。

顧客は、個人でも法人でもOKです。

 

お金に関する話があれば、FP分野に該当する可能性が大きいですね。

また、有料コンサルティングでなくても無料相談でもOKです。

 

FP分野の提案、販売

銀行、保険、証券、不動産会社等での営業活動ですね!

具体的には、金融商品、保険商品、投資用不動産などの提案や販売などが該当します。

コールセンターでの顧客対応もOK。

 

FP分野の営業支援

営業活動の支援ですね!

具体的には、提案資料の作成、社員研修などです。

資産運用業務、中古不動産の評価、顧客の融資審査もOK。

 

FP分野の情報提供

セミナーの企画、運営、講師。

書籍、新聞、雑誌等の執筆。

FP教材の制作。

 

社員の福利厚生

社員向けの福利厚生業務、社会保険業務などです。

総務部とか人事部の人もチャンスがあります!

 

FP分野のボランティア

ボランティアによる相談・講師業務等※。

※FP分野に関する内容で、かつ親族に対するものでないものが対象

 

FP協会の活動

FP協会のブロック・支部役員としての各地域におけるFP普及活動※。

※ブロック・支部役員(ブロック長、副ブロック長、ブロック監事、支部長、副支部長、支部監事、幹事)が対象

 

業種・職種・雇用形態等は問われない

業種・職種・雇用形態等は問われません。

実務経験で問われるのは、「FP分野の相談経験」です。

 

業種

業種は、士業、金融業、不動産業、製造業、小売業、建設業、医療、教育でも「FP分野の相談経験」があれば、実務経験はありです。

 

職種

職種も、営業、営業支援、総務、経理、専門職、店員、エンジニア、公務員でも「FP分野の相談経験」があれば、実務経験はありです。

 

雇用形態

職種も、正社員、派遣社員、嘱託社員、アルバイト、パートでも「FP分野の相談経験」があれば、実務経験はありです。

 

実務経験なしでCFPを取る方法

「CFP合格」と「CFP認定」での実務経験が違う

「CFP合格」と「CFP認定」での実務経験が違います。

  • CFP合格:実務経験が不要
  • CFP認定:実務経験が3年以上必要

 

CFP合格

勘違いしやすいですが、CFPを受験するのは、実務経験は、問われません。

だから、実務経験がなくてもCFPに合格することができます!

また、CFPの受験をしながら、実務経験を増やすということもできますね。

 

CFP認定

一方、CFPの認定を受けるには、「CFP合格+実務経験3年以上+CFPエントリー研修」が必要です。

CFP認定を受けるまでに実務経験が3年以上必要となります!

だから、まったく実務経験がなくてもCFPに合格した後に「みなし実務研修」(←この後説明します)を受講したりすればOKですよ。

 

実務経験にみなされるその他の経験

実務経験なしの場合や、実務経験が3年以上ない場合、「実務経験にみなされるその他の経験」で実務経験を増やすことができます。

 

<実務経験にみなされるその他の経験>

  1. 認定教育機関が実施する「みなし実務研修」の受講・修了
  2. FP協会が実施する「レジデンシーコース」の受講・修了
  3. FP協会が実施する「プロフェッシナルFP研修」の受講・修了
  4. ファイナンシャル・プランニング分野に係る大学・大学院での継続的な教育活動
  5. CFP認定基準規程第3条二に定める大学院の修了

 

事実上1択

「1.認定教育機関が実施する「みなし実務研修」の受講・修了」の選択しかありません。

2や3の研修は、開催頻度が少ないので、運良く開催されていれば選択できます。

4や5は、大学や大学院などアカデミックな方法です。

 

経験年数の計算

1~3の研修を受講すれば「1時間=1カ月」実務経験として申請することができます。

だから、実務経験なしであれば36時間研修を受講すれば、36カ月となり実務経験3年を満たすことが出来ます。

研修は、1日(6時間)ですので、36時間研修を受講するには36時間÷6時間=6日間かかります。

逆に言えば、実務経験がまったくなくても6日間研修を受講すれば、3年分の実務経験を得ることができますよ。

 

実務経験にみなされるその他の経験の詳しい解説

(1)認定教育機関が実施する「みなし実務研修」の受講・修了

認定教育機関が主催するロールプレイング等の模擬実務を中心とした実践型の集合研修。

1日6時間×2日=12時間(みなし実務経験12カ月)の研修。

事実上、みなし実務経験を得るには、認定教育機関の1社が提供している本講座しかありません。

 

  • みなし実務経験:12カ月分
  • 日数:2日(研修期間は土日の2日連続)
  • 費用:29,000円(2日分)など
  • 開催地:主に東京、大阪
  • 開催頻度:毎月
  • 定員:15名~20名

 

実務経験がない人の多くは、「みなし実務研修」を受講します。

実務経験がない場合は、2日×3回=6日、29,000円×3回=87,000円で、3年分の実務経験を得ることができます。

東京では、毎月1回開催されるので、3回行くには、3カ月かかります。

もちろん、東京→大阪→東京と3回行けば最速1カ月半で実務経験3年を得ることができますが…大変ですね。。。

 

(2)FP協会が実施する「レジデンシーコース」の受講・修了

FP協会が主催するFPプロセスの6ステップに沿った相談実務研修。

1日6時間×3日=18時間(みなし実務経験18カ月)の研修。

研修期間は2~3カ月間で、そのうち指定された3日間出席する。

キャッシュフロー表や提案書の作成などの持ち帰り課題あり。

 

  • みなし実務経験:18カ月分
  • 日数:3日(研修期間は2~3カ月間)
  • 費用:55,000円(3日分)など
  • 開催地:主に東京
  • 開催頻度:少ない
  • 定員:16名など

 

(3)FP協会が実施する「プロフェッシナルFP研修」の受講・修了

FP協会が主催するFPのビジネスに直結したテーマの実務教育プログラム。

1日5時間×3日=15時間(みなし実務経験15カ月)の研修。

キャッシュフロー表や提案書の作成などの持ち帰り課題あり。

プロフェッショナルFP研修は、1日コースと3日コースがありますが3日コースのみがみなし実務経験の対象になります。

 

  • みなし実務経験:15カ月分
  • 日数:3日(研修期間は2~3カ月間)
  • 費用:44,000円(3日分)など
  • 開催地:主に東京
  • 開催頻度:少ない
  • 定員:24名など

 

(4)ファイナンシャル・プランニング分野に係る大学・大学院での継続的な教育活動

大学や大学院での研究者、教授。

CFP受験のために大学の教授になって、みなし実務経験を得る人は、いないでしょう。

 

(5)CFP認定基準規程第3条二に定める大学院の修了

大学院生。

所定の大学院の学部・学科で所定の課程を修了する。

大学院でMBAやアカデミックな研究をしたい人向けですね。

 

CFPの実務経験まとめ

実務経験とはFP分野の相談経験のこと。

CFP試験は、実務経験がなくても受験して合格できる。

実務経験なしでも、「みなし実務研修」を受講すれば実務経験となる。